こんにちは。呆れ霹靂です。体験ボードゲーム数がどんどん増えて、書き始めたものの書き切れない記事もどんどん増えています。書くのは楽しいんだけれども、きちんと書こうとすると思いの外時間がかかりますね。
さて、今回はBGAにもあり、BGAじゃないところでも有名なゲーム、インカの黄金編。
インカの黄金/Incan Gold - ボードゲームレビュー
(↑インカの黄金のルールはこちらから)
(↑最近はBGAでもプレビューが充実してきたのでそちらも是非見てみてください)
プレイヤーがすることは進む/帰るの二択を選ぶだけ、というシンプルなゲームシステムが個人的に好みです。
さて、この「インカの黄金」、運要素強めとはいえ、結構考えるべきところはあるように思えます。
- 差がつくのはどんな場合か
- 遺物の扱い
- 帰る時のバッティング
- 期待値
- 基本戦略
1.差がつくのはどんな場合か
まずはこれをまとめておこう。
①自分は引き返して、他の人が2枚目の障害カードを引いてしまう
②他の人が先に帰った後、自分は残ってさらに得た後無事に帰る
③自分は引き返して、余った分の財宝を確保し、他の進んだ人がそれよりも少ない分しか獲得できないまま帰る
この三つということになる。これは自分が差をつける側の話だが、これの逆の立場になれば、差をつけられるということになる。
気を付けたいのは③である。このゲームでは割り切れない余りの分は帰る人で山分けすることになっている。ここでも得点のチャンスがあることを頭の片隅に入れておきたい。詳しくは3.で述べる。
2.遺物の扱い
遺物は四枚目以降は10点になるが、四枚以上取れることはほとんどないので一つにつき5点と考えておくのが良い。また、遺物は一人だけ帰った時のみ得ることができるので、そこも留意したい。
取れる場合は大きく分けて二つで
①出た時に自分だけ帰る
②出た時に自分以外の複数人が帰ってから、その後のターンに一人で帰る
なので、相手の様子を伺いながらどちらになりそうかを見極めることが重要となる。
逆に他人に得点させないのが主眼であれば出たターンに被ってでも帰るのが良い。(誰も取らずに障害カードが二枚出た場合はその遺物カードは破棄され、次のラウンド以降には持ち越されなくなる)
3.帰る時のバッティング
帰る際、遺物については上で述べた通りだが、余った財宝の取り分についても重要である。帰る時に余った財宝を取るのだが、この時に複数人で帰ってしまう場合は、その取り分が減ってしまう。1人から2人になった時点で取り分は1/2になってしまうので、できるだけ一人で帰って総取りを狙いたい。特に多人数プレイの場合は余りが多くなりやすい&進んでも一人当たりの取り分がそこまで多くならないことが多いのでうまいタイミングで帰ろう。
まあこれが難しいんですけどね。他にも帰る人いるかなー?と思って進むと誰も帰っていなかったり、その次のターンで帰ると3人くらい帰るみたいなことはよくあります。
4.期待値
- 全部で宝石の数は110個(カード自体は15枚、内訳は※)
- 障害カードは15枚(3枚5種類)
- 遺物カードは1ラウンド毎に1枚増える
(※1,2,3,3,4,5,5,7,7,9,11,11,13,14,15 BGAではないものには17が入っているっぽいので合計値微妙に変わります)
であるので、基本的に
進む時の期待値は
(110-「今まで出た財宝カードの合計値」)×1/「残りのカード枚数」÷「進む:プレイヤー数」
である。(残りのカード枚数=31+「障害カードの二枚目がめくられなかった回数」-「今まで出たカードの枚数」で求められる)
二枚目の障害カードが出る(今までの財宝が没収される)確率は
めくられた障害カード*2/「残りのカード枚数」
で求められる。(正確にはめくられた障害カードから既に二枚目で出て取り除かれたカード)
帰る時の期待値は
余っている財宝の数/「帰る:プレイヤー数」
で求められる。
「進む:プレイヤー数」と「帰る:プレイヤー数」は各々で予想するしかない。同席者の性格に依るところが大きいだろう。
この3つの値を簡単に考えて、どうするかを選べば良い。進む時と帰る時の期待値が大体同じくらいの場合は「進む」方が良い (理由としては帰る人が多すぎる場合は、損である上にそれ以降は財宝が獲得できないが、進む人が多すぎる場合はさらに進むことで挽回することが可能であるため)。
5.基本戦略
基本的にラウンドが進んでいくにつれ、障害カードが減っていくため、攻めるならば後半ということになるだろう。(勿論減らない場合もあるし、前半で攻めることも可能ではある。)
これは少しレート戦に寄ってしまう話ではあるが、「1位が確実という訳ではないが、上位半分を取りやすくなる戦略」を紹介する。
①第1ラウンドで他プレイヤーより多く財宝を得る。
②(①の時点で2位以上であれば)それ以降のラウンドは余りの財宝が5〜8個以上になったらすぐに帰る
これだけである。2、3ラウンドでは5、6個くらい、4、5ラウンドでは7、8個くらいが目安である(理由は前述の通り、注目すべきは二枚目の障害カードの数である)。最初に有利を取った後にじわじわ確実に点数を取る方法である。
第1ラウンドで多く取れた場合はこれをすると上位半分にはなる。理由としては余りが5〜8こになった時に一人で帰れば大量得点でき(進んだとしても5個得るには計15個ほど出ないと手に入れられない)、かと言って同時に帰れば一緒に帰った人と差をつけることができなくなるためにそのような選択がしづらくなるためである。
余談だが、1.の差をつけるの逆を考えれば差がつかない方法も分かる
①皆で二枚目の障害カードまで進む
②同じタイミングで帰る(または、少し違うタイミングの場合でも障害カードのみ出るなどで取り分が増えずに帰る)
これを踏まえて次の場合を考えよう。
@最終ラウンド
今までの確定財宝数 自分:25 他の人:18
現ラウンドでの財宝 全員:5 障害カードは5種類出ている
の場合に帰るべきだろうか?
答えは否である。他の人が帰って自分が進み、二枚目の障害カードを引いたとしても1位であることには変わらないためである。逆に、帰って他の人が15を引いて逆転されるのが一番最悪のため、共倒れになろうと進むのが正解である。
このような判断も大事になる。
以上でインカの黄金編終わり。まあなんだかんだ運の要素も大きいので、(財宝が来る気がする……)という直感に任せるのもアリな気がしています。
この辺まで把握すると残るは運と詳細な計算だけしかないような気もするんですよね。すると、ボードゲームの面白さってどこにあるんでしょうね?(知人とのコミュニケーションはもちろん楽しいのですが)などと少し考えたり。でもなんだかんだこのボードゲームで遊んでいて楽しいので確率の揺らぎ的なものを楽しんでいるのかなあとかも思ったり。また書いていきたいと思います。
では